鵜甘神社(南越前町)概要: 鵜甘神社は福井県南条郡南越前町堂宮に鎮座している神社です(創建当時は境内背後に聳える標高372mの千石谷山の山頂付近に境内を構えていたそうです)。鵜甘神社の創建は白鳳2年(673)、日吉大社(滋賀県大津市坂本)の分霊を勧請したのが始まりと伝えられています。
延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に記載されている式内社(論社)、杣山郷13ヶ村の総社として広く信仰され、鎌倉時代には周辺の領主だった瓜生氏の崇敬社となり社運が隆盛します。南北朝の動乱時には新田義貞が鵜甘神社に戦勝祈願で参拝し社領や神輿を寄進しています。
鵜甘神社の社宝である「王の面」は正安4年(1302)に製作されたもので表面朱塗り、裏面黒漆塗り、面長14.5cm、面幅18.7cm、厚さ17.3cm、桧材、現在、製作年が明確なものとしては福井県最古を誇り昭和48年(1973)に福井県指定文化財に指定されています。
鎌倉中期の弘安2年(1285)に制作された木造駒犬(1対)と鎌倉時代から室町時代に制作された能面(7面)、江戸中期の享保9年(1724)の大太刀(銘 藤原重高)が昭和54年(1979)に南越前町指定文化財に指定されています。
その他にも鵜甘神社は瓜生氏や新田義貞縁の品である太刀や日供椀、太鼓樽などを所有しています。又、社務所の前には明和4年(1767)に作庭された杣山池泉蓬莱鶴亀園と呼ばれる庭園があります。祭神:鵜鵜草葺不合尊。合祀:大山咋尊、天津彦火瓊瓊杵尊、伊邪那美尊、大國主大神、曽博王神。
【 参考:文献等 】
・ 郷土資料事典-ふるさとの文化遺産-福井県-出版元:株式会社人文社
・ 由緒碑-鵜甘神社
|
|